スタッフブログ(旧):開催レポート

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『鶏と卵』『伝統と革新』どっちが先?



2018年11月5日に岡崎ビジネスサポートセンター第35回チャレンジセミナー『茶の菓』に学ぶ、愛される手みやげ開発術が開催されました。今回のセミナーは岡崎市観光推進課との共催で「京都土産でこれをもらったらアタリ!」と言われる「茶の菓」を製造している(株)ロマンライフの取締役広報部長 河内康太朗氏をお迎えしました。

(株)ロマンライフの経歴に始まり、マールブランシュのこだわり(ロマンライフ経営の洋菓子店)、そしてどのように「茶の菓」が生まれたのかをお話し頂いたのですが、最初から最後まで河内さんのお話しの中で一貫していたのは
「現状に満足せず向上しつづける」
という姿勢と
「こだわりを伝える努力を惜しまない」
ということ。

まず冒頭「ブランドを作るのに必要なのは3つ!」と河内さんよりアドバイス。
1.その土地にしかないもの。
2.他がやっていないこと。
3.定番であること。
そしてブランドを作った上で大切なことは、その商品が売れたとしても現状に満足せず向上し続けること。

例えば「茶の菓」。11年前に販売を始め、近年では各メディアが薦める「京都お土産ベスト10!」とか「京都で買うべきおみやげ25選」などで上位にあがる商品となりましたが、そうなった今でももっと上へ上へと目指している姿勢が河内さんの発言の端々から感じられました。
また、上を目指す=もっと良い商品を!新商品を!という意味合いだけではなく「今あるお客様を大切にする」「もっと好きになってもらう努力を惜しまない」ということも意識、実践されている様子がとても印象的でした。

「茶の菓」を含めたマールブランシュの商品はどれも食品であり、もちろん素材には凄くこだわっていらっしゃる。でも、もっと凄いのはそれをどういう形で伝えていくか、そこに費やす時間と労力!
例えば四季を表すのが得意な和菓子と違い、洋菓子は苦手。そこで春夏秋冬、四季をイメージしたパッケージを用意し、季節に合わせたパッケージで販売する。京都市内にある各店舗、立地や顧客層に合わせたデザインで各店舗に個性がある。マールブランシュの世界を作った店舗にて自社スタッフから直接購入して頂きたいので、他店では販売しない。そして一番「なるほど~」と思ったのはお客様にこだわりを直接伝えられるのは店舗にいるスタッフということで、接客スタッフが生産者に会う、自分が体験することで素材の良さを知る、そういうツアーを会社としてスタッフに提供していること。

最近よく聞く「ブランディング」という言葉。「そんなのは大きな企業がすることでしょ」と仰る方も見えますがそれは違います。事業の大小は関係なく、自分たちの商品へのこだわりをいかに上手く伝えていくのか、そこを追求していくことがまさにブランディング。河内さんのお話しを伺う中で強く感じました。


セミナー後半は、KBS京都報道局でキャスター兼記者をされている竹内弘一氏を迎えて、河内さんとオカビズセンター長秋元のディスカッション。ご自身を「中小企業の事業主」だと思って仕事をしていると仰る竹内さん。(ご自身で作った企画書を元にスポンサーを得るための営業をし、取材も台本も編集も全て自分でやって番組作りをされていらっしゃいます)仕事柄いろいろな事業者さんにお会いしている竹内さんの発言も「なるほど~」と納得するものが多かったのですが、その中でも説得力を感じたのは、600社以上の中小企業を取材している竹内さんが分析する「茶の菓ヒットの秘訣!」。
ヒットの秘訣はズバリ、「商品開発にかける意気込み、こだわり、追求の深さ」!
いろんな抹茶スイーツが出ている中で、お茶の中でも「お濃茶」に目をつけてお菓子にしたのはマールブランシュだけ。
そこに行きついたこだわりの力、そして常にもっと上を目指す姿勢。ヒットしたからと言って満足せずに追求のスピードを停めない、その姿勢こそがヒットの秘訣とのことです。
竹内さん曰く、トレンドセッターになっているところは新商品をどんどん投入するそうです。なので京都と言えば・・・のあの銘菓もお漬物も、トレンドセッターとなっているところは常にチャレンジを続けている、どんどん追求し続けていて、老舗が一番売れているわけじゃないんですって!

そして、もう一つ。竹内さんが仰った言葉でとても印象に残ったのが『大切なのは伝統と革新ではなく、革新と革新』というフレーズ。
どういう意味なのかを竹内さんの言葉をそのまま借りて説明すると「新しいことへチャレンジするのは勇気がいる。既存商品の値崩れになるかもしれないし、ブランドを傷つけることもあったりする。でも、それを恐れずにチャレンジし続ける。革新を続けられるところが伝統になる。ヒット商品が出ても攻め続ける。守りに入らない。結果としてそれが300年続くと伝統になる」ということ。
伝統と革新とよく言われますが、竹内さんの仰る通りと思わず頷いてしまいました。

「茶の菓」のようにとーっても中身の濃いセミナー、河内さん、竹内さん、貴重なお話しをありがとうございました!

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